プラスチック食器の洗浄・消毒・乾燥・漂白・保管について
1.プラスチック食器の洗浄
洗浄が十分であれば消毒の必要がないといわれるくらい、食器の洗浄は大切な作業です。
- A 食器から残菜を落とす
- 使用後の食器はできるだけ早くシャワーやシンクで残菜を取り除いてください。
- B 食器を温湯に浸漬する
- 高めの温湯(できれば専用の洗剤を使い)に約20分位食器を漬けておくと、残菜が落ちやすくなります。
(食器の材質で水の温度は変わります) - C 食器を洗浄する
- 機械洗浄と手洗いの場合がありますが両方とも専用洗剤で洗浄、手洗いの場合は特に柔らかいスポンジをご使用下さい。
- D 食器をすすぐ
- 洗浄した食器は洗剤などを落とすため温湯で充分にすすぎます。ため水は2回以上、流水では5秒以上すすいでください。*布巾の使用はさけましょう
2.プラスチック食器の消毒
食器の消毒は通常、熱風消毒、熱湯消毒が行われています。消毒は各樹脂の耐熱温度を超えないように温度管理を確実に行ってください。
- A 熱風消毒の場合
- ・摂氏80度の熱風で約15分間消毒します。
- ・吹き出し口の熱風が直接食器に当たらないようにしてください。
- ・庫内温度は均一化し庫内に限度を超えた数の食器を入れないようお願いします。
- B 熱湯消毒の場合
- ・摂氏90度の熱湯で約10分間消毒します。
- ・煮沸釜の蓋をして圧力を上げないでください。
3.プラスチック食器の漂白
食器の使用回数、食物の種類によってことなりますが、長時間使用していると汚れが出てくることがあります。このような場合、また汚染防止のためにも時折食器の漂白処理を行ってください。
- 漂白の必要なとき
- ・洗浄では汚れが落ちなかった食器を漂白します。
- ・汚れ防止のために1〜2週間に1回程度、定期的に漂白処理してください。
- ・漂白剤はプラスチック食器に適した酸素形漂白剤をご使用下さい。
- ・漂白剤の使用濃度、浸す温度時間は個別の漂白剤指定のとおりに調整してください。
- ・調整した漂白液に浸した後は食器をきれいにすすぎ、乾燥してください。
4.プラスチック食器の乾燥
食器を消毒後に乾燥させる場合、前もってできるだけ水分を取り除いてください。乾燥は摂氏80度15分程度にしてください。熱風などを用い高温度、長時間の乾燥は食器の寿命を縮めます。
5.プラスチック食器の保管・整理
消毒保管庫を使用する場合は庫内温度摂氏80度を約15分間として、温度管理を確実にし保管庫内温度分布を均一にしてください。保管庫を使用しない場合は食器を充分に乾燥させ、その状態が維持できる場所に保管してください。
*樹脂別洗浄の注意---ポリプロピレン
ポリプロピレンの耐熱温度は摂氏120度ですが、摂氏100度近くで軟化しますので消毒中、消毒後の積み重ねに注意してください。無理な状態で積み重ねたり、消毒後すぐ加重をかけたりしますと変形することがあります。
消毒の温度が高すぎると食器が溶けたり焦げたりする場合があり、特に保管庫は場所によって大きな温度差がありますので温度管理に十分注意してください。
*樹脂別洗浄の注意---ABS・アクリル・ポリカーボネート
ABS製品及びアクリル製品は熱に弱く(耐熱温度摂氏80度)煮沸すると変形します。ただし耐熱タイプのものもありますので、使用前に製品表示等をよくお読みになり注意をしてください。
ポリカーボネートは水と反応して劣化しやすい性質(加水分解)があります。加水分解はアルカリや高温で促進されますので、アルカリ性の洗剤で洗浄したあとは特によくすすぎ、スチームや熱湯で処理することはさけてください。